音楽プロダクション分析

CATS HOUSE RECORDS

2007年01月25日 22:51

CAT HOUSE RECORDS GMの宮原です。

本日はプロダクションを大規模、小規模そして営業機能に特化したエージェンシーに分類しそれぞれの特徴を述べて参ります。

まずは小規模プロダクションについてご紹介したいと思います。
ここではマネージメントの基本業務に特化している企業を小規模プロダクションとします。

このような小規模プロダクションは数名のスタッフと少数のアーティストによって成り立っています。また最近ではアーティスト自身がセルフマネージメントを目的として自身のマネージャーや数名のスタッフを引き連れて独立したプロダクションを設立するケースもあります。

そしてこれらのプロダクションに共通するのはアーティストをより高収入を得られる存在にすることを目的にしていることです。そのためにアーティストの教育や各方面へのプロモーションに注力しているプロダクションが多いようです。

ただし最近では全般的にアーティストの主張が強くなり、プロダクションとアーティスト間の利益分配も難しくなってきていると言われています。以前であればプロダクションがアーティストを発掘し、育成し売り出すためにかかった多大なコストを回収するためにプロダクションがアーティストの生み出した利益の大部分を得ていました。しかし最近ではアーティストの音楽ビジネスに対する知識や情報も増え主張が強くなったため、プロダクションにあった主導権がアーティストの移っていくケースが多いようです。

次いで、大規模プロダクションですがこちらは上に述べました小規模プロダクションの基本業務に加えさらに幅広く事業を展開しています。アーティストと音楽そのものから発生する諸権利についてできる限り内部でそれらを管理するために広範な業務を受け持つのが大規模プロダクションです。また大規模プロダクションの特徴としてグループ会社制を実施し各機能(業務)別に企業として成り立っているということがあげられるでしょう。

このような大規模プロダクションでは制作、営業、宣伝や管理などの機能に特化したした組織をもちそれぞれの機能において下記のような業務にあたっています。
制作を担当する組織では、アーティストの発掘や育成そして原盤制作、スケジューリングなどを行います。
宣伝を担当する組織はマスコミなどへのプロモーションを展開します。
営業を担当する組織ではライブ等の興行を展開します。
管理を担当する組織では、全体を束ねる役目いわゆるバックオフィス業務に加え権利の確保を大事な業務としています。

最後に営業機能に特化したエージェンシーについてご紹介します。
エージェンシーについては「業界の最新常識 よくわかる音楽業界」三野明洋著 日本実業出版社 に詳しいのでこちらを参考に説明させていただきます。
エージェンシーとはプロダクションに比して権利や利益の確保を進化させた業務形態であり、この業態の特徴として制作的側面はアーティスト自身が担いエージェンシーは売り込みなど実質的な営業業務に特化するとうことがあります。

このような業態ではアーティスト契約において業務の範囲を明確化し、営業の代理業務における手数料を受け取るという運営基盤をとっています。こうした契約システムは欧米では一般的です。また、アーティストに対する業務負担が軽減されることからエージェンシーはより多くのアーティストを抱えることが可能です。


今回はプロダクションを3つのタイプに分類し、それぞれについてご紹介させていただきましたがいかがでしょうか。音楽に限らず、メディアや芸能界とも深く関係しているプロダクションですが、プロダクションに共通するのはアーティストという商品をいかに高額なブランドにそだてあげるかということです。

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